それ、自分で確かめた?
『さよならわたしの本屋さん』(1996年) ペーター・ヘルトリング作 田尻三千夫訳 さえら書房 今日の一冊はコチラ。 クリスマスが近づくと思い出す本なのですが、正直、後味は悪いです。ストーリー途中までは、ワクワクしたり、ほっこりしたりするのですが、後半で急に人間不信に陥りそ...
ディケンズがお好きなら
『その歌声は天にあふれる』(2005年)ジャミラ・ガヴィン作 野の水生訳 酒井駒子絵 徳間書店 クリスマスツリーを三男(5歳)にせがまれて、ようやくツリーを出しました。飾りつけは全部三男任せ♪ 町中でもクリスマスキャロルが聞こえてきてる頃でしょうか。『クリスマスキャロル』と...
本が苦手な子にもおススメ
『ジェレミーとドラゴンの卵』(2003年)ブルース・コウヴィル作 金原瑞人訳 茂利克彦画 講談社 今日の一冊は、本が好きな子も、苦手な子も、どちらも楽しめそうな物語。ファンタジーの王道、と帯に書かれていましたが、その通りですね。...
心理療法としてのファンタジー
『闇の闘い』(1980年)ウィリアム・メイン作 神宮輝夫訳 岩波書店 今日の一冊はコチラ。 まーた、マイナーな本持ってきて~、って感じでしょうか(笑)。 岩波書店、神宮輝夫さんの訳ときたら、私的にはハズレはないのです。 日本ではもちろん(←これね)絶版、図書館でも動くことが...
メアリー・ポピンズは魔女なのか
『不機嫌なメアリー・ポピンズ - イギリス小説と映画から読み解く「階級」』(2005年) 新井潤美著 平凡社新書 メアリー・ポピンズは果たして魔女なのか? 先月の『魔女』がテーマだったとき、ふと思いました。確かにメアリー・ポピンズは魔法は使うし、異世界に連れて行ってはくれる...
中学年からの読みやすいファンタジー
『とび丸竜の案内人 時間をとんだ竜と女の子の冒険』(1988年) 柏葉幸子作 児島なおみ絵 偕成社 今月は、龍(東洋系)と竜(西洋系)ものをたくさんお届けする予定。というわけで、今日中学年から本が苦手な子でも楽しめそうな二冊をご紹介。...
真の魔法とは
『ゴースト・ドラム 北の魔法の物語』(1991年) スーザン・プライス作 金原瑞人訳 福武書店 カバー画:中村仁 湖のそばに立っているのは一本のカシの木に、金の鎖でつながれているのは一匹の物知り猫。木の周りをぐるぐる周りながら、この猫が語り部となって、一気に物語の世界観へと...
自分でつかみ取る人生
『アリス見習いの物語』(1997年)カレン・クシュマン作 柳井薫訳 中村悦子絵 あすなろ書房 図書館でね、この本の背表紙に呼ばれた気がしたんです。なぜ、この本を手に取ったのかワカラナイけれど、時々本のほうに呼ばれることがあります。...
魔女や妖精の息づく時代へ
『魔女とふたりのケイト』(1987年)K.M.ブリッグズ作 石井美樹子訳 岩波書店 装丁・さし絵 ゴーディリア・ジョーンズ KATE CRACKERNUTS,1979 by K.M. Briggs 個人的に1970年代~1980年代にかけての岩波書店の翻訳ものは、名作揃いだ...
深呼吸できる物語
『忘れ川をこえた子どもたち』(1979年)マリア・グリーペ作 大久保貞子訳 冨山房 ああ、これ好き! なんとも深みのある幻想的な物語です。うん、こういう物語がいま足りない、って感じます。リアリティ文学ではなく、ファンタジーなのですが、不思議な説得力を持つのは、北欧神話や民間...