心理療法としてのファンタジー
『闇の闘い』(1980年)ウィリアム・メイン作 神宮輝夫訳 岩波書店 今日の一冊はコチラ。 まーた、マイナーな本持ってきて~、って感じでしょうか(笑)。 岩波書店、神宮輝夫さんの訳ときたら、私的にはハズレはないのです。 日本ではもちろん(←これね)絶版、図書館でも動くことが...
メアリー・ポピンズは魔女なのか
『不機嫌なメアリー・ポピンズ - イギリス小説と映画から読み解く「階級」』(2005年) 新井潤美著 平凡社新書 メアリー・ポピンズは果たして魔女なのか? 先月の『魔女』がテーマだったとき、ふと思いました。確かにメアリー・ポピンズは魔法は使うし、異世界に連れて行ってはくれる...
防災×文学ピクニック開催!&参加者感想
Facebookで告知して、ブログでの告知し忘れていました。 前回好評だった、防災アドバイザー美香さんとのコラボ、防災×文学ピクニック、またまたやります! え!?防災と児童文学に何の関係が?と思うでしょう? これがねー、多いにあるんです。...
海外(翻訳)文学が優れているわけ
すごーく炎上しそうなタイトル(笑)。 個人的に児童文学に関しては、海外文学、翻訳ものが好きです。 幼い頃から慣れ親しんできたのも、翻訳文学が多かった……と思っていたのですが、偶然残っていた小学校時代の図書カードを見てみたら、日本の作家さんのものもけっこう読んでいたんですね。...
中学年からの読みやすいファンタジー
『とび丸竜の案内人 時間をとんだ竜と女の子の冒険』(1988年) 柏葉幸子作 児島なおみ絵 偕成社 今月は、龍(東洋系)と竜(西洋系)ものをたくさんお届けする予定。というわけで、今日中学年から本が苦手な子でも楽しめそうな二冊をご紹介。...
真の魔法とは
『ゴースト・ドラム 北の魔法の物語』(1991年) スーザン・プライス作 金原瑞人訳 福武書店 カバー画:中村仁 湖のそばに立っているのは一本のカシの木に、金の鎖でつながれているのは一匹の物知り猫。木の周りをぐるぐる周りながら、この猫が語り部となって、一気に物語の世界観へと...
自分でつかみ取る人生
『アリス見習いの物語』(1997年)カレン・クシュマン作 柳井薫訳 中村悦子絵 あすなろ書房 図書館でね、この本の背表紙に呼ばれた気がしたんです。なぜ、この本を手に取ったのかワカラナイけれど、時々本のほうに呼ばれることがあります。...
魔女や妖精の息づく時代へ
『魔女とふたりのケイト』(1987年)K.M.ブリッグズ作 石井美樹子訳 岩波書店 装丁・さし絵 ゴーディリア・ジョーンズ KATE CRACKERNUTS,1979 by K.M. Briggs 個人的に1970年代~1980年代にかけての岩波書店の翻訳ものは、名作揃いだ...
深呼吸できる物語
『忘れ川をこえた子どもたち』(1979年)マリア・グリーペ作 大久保貞子訳 冨山房 ああ、これ好き! なんとも深みのある幻想的な物語です。うん、こういう物語がいま足りない、って感じます。リアリティ文学ではなく、ファンタジーなのですが、不思議な説得力を持つのは、北欧神話や民間...
魔女ってなんだ???
『魔女の文明史』(2004年)安田喜憲編 八坂書房 あっという間に11月です。10月31日のハロウィンは、もともとはケルトの人の間では、秋の終わりで、冬の始まりなんですよね。 そんな10月終わりの児童文学ピクニック&zoomでオンラインおしゃべり会、ともにテーマは『魔女』で...