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耳をすますこと


昨日は、銀座教文館ナルニア国で行われたアーサー・ビナードさんの講演会に行ってきました!

丸木俊さんと丸木位里さんご夫婦が作り上げた大連作「原爆の図」をアーサーさんが再構成し、『ちっちゃい こえ』(童心社)という紙芝居をこのたび刊行された、その記念講演会。

なんと7年もの歳月がかかったんだとか。

紙芝居ってどこにでもありそうだけれど、実は日本独特のものなんですよね。

紙芝居って、ものすごい吸引力がある。だから、戦時中は戦意を高揚させるプロパガンダとして国が(国が!←大事なことなので2回言いました)利用していたそうです。つまり、国策。

実はとても強いメディア、それが紙芝居なんですね。

アーサーさんは、いかに紙芝居が優秀なメディアかを、ユーモラスたっぷりに紹介してくれました。電源入れる必要ナシ!起動に時間かからない!確かに、接続不具合とかも起こりようがない(笑)。

個人的にとっても印象的だったのは、他のメディアは「機械対人」であり、夢中にはなるけれど体験できることが限られていること。でも、紙芝居は「人対人」というメディアで“ホンモノ”という点でした。だから、こんなにも引きつけられるんですね。

そんな紙芝居の特徴として、ずっと愛される物語は、どこかにめちゃくちゃ(飛躍)があるそうです。『ちっちゃい こえ』の飛躍に関して言えば、命の源である細胞にまで飛ぶ。

今回、アーサーさんは元々あった「原爆の図」を再構成したわけですが、“モノが先にあって、耳をすますと作品になる”、と言います。

そうなんですよねえ、ここ大事!

私たちは、すぐに何かを伝えたくなる。語りたくなる。でも、それは時として押しつけがましくなる。それよりも大事なのは、まず「耳をすます」こと。

耳をすますと見えてくる世界がある。そして、私たちは傍観者から当事者へと変わっていけるのです。

講演前と後は、児童文学仲間とノンストップトーキング!

ナルニア国があるおかげで、銀座が身近になりました(笑)。

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