後味悪い……それでも!
『さよならわたしの本屋さん』(1996年) ペーター・ヘルトリング作 若松宣子訳 岩波書店 先日、映画『マイブックショップ』の感想を書いたときに、児童文学体質(=幸福体質、希望体質)に慣れてしまったので、後味スッキリとはいかなかった、と書いたのですが……。...
その花、花明かりの活躍かも?
『引き出しの中の家』(2010年)朽木祥作 ポプラ社 小人のものって、探してみると絶版のものが多かったり、あまり新作が出ないイメージ(私が知らないだけかもですが)。 海外ものだとアリエッティの原作になった、メアリー・ノートンの『床下の小人たち』シリーズ、日本だったら佐藤さと...
眠れる野性を掘り起こす
『最後のオオカミ』(2017年)マイケル・モーパーゴ作 はらるい訳 黒須高嶺絵 文研ブックランド 密かにニーズのある、本が苦手な子でも読めましたシリーズ(笑)。 うちの子たちは、文字読むのが苦手(面倒)なタイプなので、うちの子でも読めたシリーズは、本が苦手な子へ差し出す本の...
それ、自分で確かめた?
『さよならわたしの本屋さん』(1996年) ペーター・ヘルトリング作 田尻三千夫訳 さえら書房 今日の一冊はコチラ。 クリスマスが近づくと思い出す本なのですが、正直、後味は悪いです。ストーリー途中までは、ワクワクしたり、ほっこりしたりするのですが、後半で急に人間不信に陥りそ...
中学年からの読みやすいファンタジー
『とび丸竜の案内人 時間をとんだ竜と女の子の冒険』(1988年) 柏葉幸子作 児島なおみ絵 偕成社 今月は、龍(東洋系)と竜(西洋系)ものをたくさんお届けする予定。というわけで、今日中学年から本が苦手な子でも楽しめそうな二冊をご紹介。...
落ち着きのない子は問題児?
『もう、ジョーイったら!2 父さんと、キャッチボール?』 (2009年)ジャック・ギャントス作 前沢明枝訳 徳間書店 今日たまたま目にした東洋経済オンラインの記事。発達障害を発表している、モデルで俳優の栗原類氏のお母さんのインタビュー(コチラをクリック)がとってもよかった。...
単細胞男子を支えたもの
『ヒーローなんてぶっとばせ』(1998年) ジェリー・スピネッリ作 菊島伊久栄訳 偕成社 アメリカンフットボールで活躍する、見栄っ張りな男の子と、その隣に住むクエーカー教徒でベジタリアン、おまけに男なのにチア・リーダーのウェッブの物語。...
こんな死の受け入れ方もあり
『マッティアのふしぎな冒険』(1998年)R・ピウミーニ作 高畠恵美子訳 広野多珂子絵 文研出版 今日の一冊はこちら。 生と死がテーマであり、臨終にあるおじいちゃんと、7歳になる孫の最後のあたたかい交流の物語。 死とは終わりではない、死んでもずーっとその人の中で生き続けるの...
マヤ族の暮らしがのぞける
『トウモロコシが実るころ』(2002年)ドロシー・ローズ作 長滝谷富貴子訳 小泉るみ子絵 文研出版 義父母の畑から、トウモロコシをはじめとする夏野菜がどっさり届いて、美味しい日々が続いています。 夏野菜って、トマト、キュウリ、トウモロコシ、と色合いもカラフルでみずみずしくっ...
大人も試される
『トトの勇気』(2006年)アンナ・ガヴァルダ作 藤本泉訳 小林ゆき子絵 鈴木出版 今日の一冊は、児童文学の少ないフランスから、どうしても学校に興味を持てない男の子のお話です。原題は“35 kilos d’espoir”、主人公の男の子の体重が35キロなのですが、35キロ分...