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マヤ族の暮らしがのぞける


『トウモロコシが実るころ』(2002年)ドロシー・ローズ作 

長滝谷富貴子訳 小泉るみ子絵 文研出版

義父母の畑から、トウモロコシをはじめとする夏野菜がどっさり届いて、美味しい日々が続いています。

夏野菜って、トマト、キュウリ、トウモロコシ、と色合いもカラフルでみずみずしくって、眺めているだけで楽しくなっちゃいます。うなされそうなくらい、次から次へと届くインゲンの量にクラクラしているのは内緒ですけど(笑)。

というわけで、今日の一冊はトウモロコシ畑のお話。

全国学校図書館協議会選定図書、日本図書館協会選定図書、厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財 第49回読書感想文5,6年生の部の課題図書。

高学年の課題図書でしたが、中学年から読めそうです。

【『トウモロコシが実るころ』あらすじ】

マヤ族の知恵とほこりをうけついだ少年の姿をいずみずしく描く

タイガーは知りたがりやでのんびりや。ところがお父さんがけがをしたため、ひとりで土地を耕し、トウモロコシを育てることになった。トウモロコシは、マヤの人々にとってはたいせつなもの。畑仕事は思った以上にたいへんで、タイガーは投げ出したくなるが、少しずつ成長している自分を感じて……。 

マヤの文化と自然を背景に少年の成長をさわやかに描く。(帯より)

うーん、結論から言うと、個人的にはあまり心に残る物語じゃありませんでした。(じゃあ、紹介するなって?)。

何が悪いっていうわけでもないんですけど、ああ、いかにも大人が喜んで勧めそうな物語だな、と思ってしまって。はじめ嫌々だったけど、やり遂げてみると、ホラ、いいでしょう!みたいな。

そしてね、ここに出てくるひいおばあさんがねえ、嫌味でイラッときます(笑)。

こういうひねくれた老人って、先進国特有かと思っていたのだけれど、このひいおばあさんはネイティブの世界観を失ってしまった人なのかしら?

それとも作者が、ネイティブの世界観理解してない人なのかしら?作者の情報がないのでワカラナイのですが、このひいおばあさんの言動に、個人的には違和感があったのです。

訳者の方は、あとがきで「愛情を持ちながらもきびしく育てようとするひいおばあさん」と書かれていましたが、私には孫に八つ当たりしているようにしか見えませんでした。

例えばね、「おえらいさんのおでましだよ。」と皮肉ったり、母親が子供の身体の心配をすれば「それよりあの子の性根も気にかけたほうがいいんじゃないか」なんて言い出す。あげくのはてには、雨ごいの儀式で、雨をふらすカエル役に選ばれて喜んでいた孫に対して、嫌味を言ってへこませる。

性格悪っ!うーん。でも、お友だちは気にならなかった、と言ってたから、私がこのひいおばあさんに、自分の影を見出して嫌になってるのかも(笑)。

と色々書いておいてなんですが、今の日本の子は雨が降らない=作物が育たないという感覚もないと思うので、読んだらびっくりするかもしれません。野菜の値段があがる、くらいにしか思ってないから、大人も子どもも必死になって動くマヤ族の人たちの姿には心動かされるものがあります。マヤ族の文化のお話なので、異文化に出会うという意味では面白いかも。

ブログ「今日の一冊」
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