人それぞれに物語あり
『ぐるぐるの図書館』(2016年) 工藤純子・廣嶋玲子・濱野京子・菅野雪虫・まはら三桃 講談社 今日の一冊は小5女子からのおすすめ。 先日図書館で、偶然あった次男のクラスメートの女の子が、次男用に選書してくれたうちの一冊です。小5女子による選書だなんて、もうもう、かわいくて...
なぜ世界は丸いの?
『魔法の輪』(1997年)スザンナ・タマーロ作 高畠恵美子訳 あすなろ書房 今日の一冊は、原マスミさんによる不気味な表紙絵が、ピッタリな内容のコチラ。見づらいかもしれませんが、たくさんの積まれたテレビの中の人たちが、ムンクの叫びみたいになっています。...
その花、花明かりの活躍かも?
『引き出しの中の家』(2010年)朽木祥作 ポプラ社 小人のものって、探してみると絶版のものが多かったり、あまり新作が出ないイメージ(私が知らないだけかもですが)。 海外ものだとアリエッティの原作になった、メアリー・ノートンの『床下の小人たち』シリーズ、日本だったら佐藤さと...
メアリー・ポピンズは魔女なのか
『不機嫌なメアリー・ポピンズ - イギリス小説と映画から読み解く「階級」』(2005年) 新井潤美著 平凡社新書 メアリー・ポピンズは果たして魔女なのか? 先月の『魔女』がテーマだったとき、ふと思いました。確かにメアリー・ポピンズは魔法は使うし、異世界に連れて行ってはくれる...
真の魔法とは
『ゴースト・ドラム 北の魔法の物語』(1991年) スーザン・プライス作 金原瑞人訳 福武書店 カバー画:中村仁 湖のそばに立っているのは一本のカシの木に、金の鎖でつながれているのは一匹の物知り猫。木の周りをぐるぐる周りながら、この猫が語り部となって、一気に物語の世界観へと...
深呼吸できる物語
『忘れ川をこえた子どもたち』(1979年)マリア・グリーペ作 大久保貞子訳 冨山房 ああ、これ好き! なんとも深みのある幻想的な物語です。うん、こういう物語がいま足りない、って感じます。リアリティ文学ではなく、ファンタジーなのですが、不思議な説得力を持つのは、北欧神話や民間...