表紙の印象で内容の印象も変わる!?
『魔女モティ』(2004年)柏葉幸子著 佐竹美保絵 講談社
昨日の『萌え絵は想像力を養わないは本当?』から、本日はコチラをご紹介。
『霧のむこうのふしぎな町』でお馴染みの柏葉幸子さんによる魔女ファンタジー。
主人公紀恵は、なんだかお母さん(継母)とうまくいってない、と思っている女の子。きっとお母さんのほうはそうは思ってないのです。ただ、兄弟姉妹がいる人なら誰でも感じたことがあるであろう、「私よりほかの兄弟姉妹のほうが大事なんだ」という思い。どうせ私は用事を言いつけられるだけの子なんだ。大人が読んでも、ちょっとドキっとしますねえ。
そんな紀恵は、魔女モティの黒猫ペローにスカウトされて、魔女の家族、子ども役になってくれと頼まれるのです。同じくスカウトされてきたピエロのニドジと3人で、新しい町での奇妙な家族ごっこが始まります。
このねえ、モティが落ちこぼれというか不良というか、とにかく破天荒なんですよ。めちゃくちゃだけど、自分の感情にウソついてないからスカッとしますね。
文体は、ちょっと騒がしい感じなので、好みは分かれると思いますが、家族ってなんだろう、って考えさせられます。
でね。こちらのモティ、佐竹美保さんの表紙と挿絵がぴったりだったのですが・・・
こうなりました。でーん!↓
子どもたちの「ウケ」はよいみたいで。
これで、手に取ってもらえるのならよいのかな?うーん、佐竹さんの絵でも手渡す人が手に取ってもらえそうだけれど・・・。
個人的には、すっかりイメージが変わってしまいました。絵のインパクトが強すぎて、自分の想像力の手助けというよりも、邪魔になってしまって。子どもが紀恵に共感する気持ちも、心理的なものから、外見的に「かわいいー♥」に変わってしまわないのでしょうか?キャラクター化してしまう気が。でも、これは本好きの人の意見なのかなあ。続編もあるようです。
内容はさらりと読めるので、本が苦手な子にも。小学校中学年からいけそうです。