知らなければいけない物語がある
『世界の果てのこどもたち』(2015年)中脇初枝著 講談社 気づけば8月です。 8月は、毎年できるだけ戦争文学を読むことにしているのですが、正直気が重くなりがち。人間の愚かさを目の前にしての無力感…。 それでも、知らなければ、耳を傾けなければと思う物語がまだまだある。そのう...
愛と憎しみの根っこは同じ?
『ドールの庭』(2005年)パウル・ビーヘル著 野坂悦子訳 早川書房 挿絵 丸山幸子 今日の一冊はコチラ。日本での初版は2005年ですが、原書は1969年初版。 【『ドールの庭』あらすじ】 すべてが灰色に枯れはて、ひっそりとした町、ドール。ここへひとりの女の子がやってきまし...
石井登志子さん講演会@ナルニア国
『リンドグレーンの戦争日記』(2017年) アストリッド・リンドグレーン著 石井登志子訳 岩波書店 教文館ナルニア国@銀座で行われた石井登志子さんの講演会『リンドグレーンの戦争日記』に先日行って参りました。 小学生のころ、『長くつしたのピッピ』をはじめ、リンドグレーンの書く...
内容で敬遠しないで!
『第九軍団のワシ』(1972年)ローズマリ・サトクリフ作 猪熊葉子訳 岩波少年文庫 The Eagle of the Ninth,1954 by Rosemary Sutcliff 今回のバカンスのおともの本のうちの一冊がコチラでした。20世紀のイギリス児童文学を代表する作...
海外翻訳本が苦手な子にも
『茶畑のジャヤ』(2015年)中川なをみ作 門内ユキエ絵 鈴木出版 全国学校図書館協議会選定図書 (うん、いかにも大人が子どもに勧めたそうな話だ 笑) 先日ご紹介した『さよなら、スパイダーマン』の主人公は、異文化、異質なものに出会うことによって、新しく目が開かれていくわけな...
伝説のメガネ屋&世界が変わって見える!
『ぶきっちょアンナのおくりもの』(1990年) ジーン・リトル作 田崎眞喜子訳 福武書店 From Annna,Jean Little,1972 今日の一冊はコチラ! 何をしてもぶきっちょで、兄弟たちからも疎まれているメガネっ子アンナの物語。とーってもいい物語なのに、絶版。...
三世代の恋・誰にでも若い頃はあった
『一億百万光年先に住むウサギ』(2006年)那須田淳 理論社 読書感想文課題図書(中学生の部)だったこともあるみたいですが、現在は絶版みたいですね。 『星空ロック』(レビューはこちらをクリック)もそうだったけれど、ドイツ在住の那須田さんの物語は、やっぱりいつもドイツの香りも...
不謹慎な想像力?
『砂のゲーム ぼくと弟のホロコースト』(2000年) ウーリー・オルレブ作 母袋夏生訳 岩崎書店 The Sandgame by Uri Orlev (1996) 今日の一冊はコチラ。 ホロコーストと聞くだけで、避けたくなってしまう人もいるかもしれませんが、ちょっと待って~...