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三世代の恋・誰にでも若い頃はあった


『一億百万光年先に住むウサギ』(2006年)那須田淳 理論社

読書感想文課題図書(中学生の部)だったこともあるみたいですが、現在は絶版みたいですね。

『星空ロック』(レビューはこちらをクリック)もそうだったけれど、ドイツ在住の那須田さんの物語は、やっぱりいつもドイツの香りも盛り込まれる。

今日の一冊のこちらの舞台は湘南ですが、北ドイツのシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州のオイティーン湖畔、ドーダウアーの森にある樹齢500年の樫の木の伝説をベースに話が進んでいきます。

湘南が舞台ということで手に取ってみたのですが、湘南も湘南、鎌倉じゃないですか~!

観光客が行かない西鎌倉&腰越が舞台。

しかも、キーになってる恋樹って、三男が青空自主保育で毎日駆け回ってる緑地にある大桜!!!確かに、確かに、物語が生まれないほうがおかしいと思えるくらい幻想的な場所なんです。けど、地元民しか知らないようなマイナーな場所をよくぞ舞台に選んだあなあ(笑)。ちなみに大桜の写真はないけれど、こんな感じの場所です。住宅街の中にあるんですよ~。↓

この物語には三世代の恋愛が出てきて興味深いです。一番純粋で初恋に近い中学3年生の主人公の恋。

その相手の親たち世代の昔の恋愛。

そして骨董屋のおばあちゃんの戦争時代の純愛。

ああ、誰にでも若い時があったんだな、って。特に戦争で相手と引き裂かれてしまったおばあちゃんの物語は胸がジンとします。さらりとしか描かれてない部分なんですけどね、さらりとだからイイ。押しつけがましくなく、ふっと戦争について考えさせられたり。

ただ、地元が舞台だったから、一気読みしたし、確かに面白かったけれど、那須田さんの描く人物像には個人的には、実はあまりピンと来なくて。

なぜなんだろう・・・心のどこかで、こんな中学生いるかな?いまどきの中学生がホントにこんなこと考えてるかなあ?とかって思っちゃう。私がロマンチストじゃないから、ついていけないだけなのかしらん?

そこで、先日ご紹介した『砂のゲーム』の著者ウーリー・オルブマンの言葉を思い出したんです。

ウーリーは大人の目で、過去のできごとを考えたりしゃべったりしないように、気を付けている、って。大人としては自分の子ども時代のことを描けない、昔の自分に戻らないとそのときの感情やなんかを思い出せない、からなんだそうです。

で、感じたのは那須田さんは大人の目で思い出しながら描いてるのかな、って。語りは中学3年生の主人公の一人称なのだけれど、微妙なズレを感じるのはそこなのかな。

今後大桜のところに行ったら、手紙探しちゃいそう。やっぱり物語があるって、同じ景色が別のものに見えてきていいですね♪

淡い純愛、恋に浸りたい方、おすすめです。

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