失敗の先に
『太陽の戦士』(2005年)ローズマリ・サトクリフ作 猪熊葉子訳 岩波書店 ※ハードカバー版は1968年 時々、安易に感想を言いたくない本に出会います。そのくせ、誰かと感動を共有したい。サトクリフの物語は、いつもそんな感じで、なかなか感想が書けないんです。...
旅&歴史ガイドブックにもなる物語
『ペーターという名のオオカミ』(2003年)那須田淳著 小峰書店 最近、日本文学、英米文学など国でジャンル分けするのが、難しくなってきていて、文学には国境がなくなってきている、と言われています。日本人であっても、外国を舞台に、まるでその国の人が書いたかのような物語が出てきた...
賢さ・気高さVS残虐さ
『オオカミは歌う』(1994年)メルヴィン・バージェス作 神鳥統夫訳 偕成社 今日の一冊は訳した方が、あとがきで「こんなにうしろめたく悲しい年持ちで翻訳をつづけたのは初めてでした」と述べるほど、確かにうしろめたい気持ちになる物語。...
人間世界の根本問題にふれる
『人形の家』(1978年)ルーマー・ゴッテン作 瀬田貞二訳 堀内誠一挿絵 岩波少年文庫 クリスマス時期に感想をアップしようと思いつつ、タイミングを逃してしまいましたが・・・・・クリスマスの場面も出てきますが、季節問わず、おすすめです。...
本来のオオカミって……
『オオカミのようにやさしく』(1994年)G・クロス作 青海恵子訳 岩波書店 今日の一冊は(も?)マイナーと思われるであろう、こちらの物語。とはいえ、本国ではカーネギー賞を受賞している物語なんですよ。 日本人には馴染みがなくて、ちょっと変わってると感じるのですが、現代イギリ...
失われた世界観を取り戻そう
『オオカミ族の少年(クロニクル千古の闇1)』(2005年) ミッシェル・ペイヴァー著 さくまゆみこ訳 酒井駒子絵 評論社 先住民族の世界観に惹かれる人には、たまらない!シリーズ。 よく見かけてはいたけれど、いままで手を出さなかったのはシリーズもの&戦いものが好みでなかったか...
短編が読みたくなったら
『ガイコツになりたかったぼく』(2005年)ウルフ・スタルク作 菱木晃子訳 はたこうしろう絵 小峰書店 今日の一冊は、読書が苦手な子でも、さくっと読める短編。 小学生高学年でももちろん読めるのだけれど、2編目のセクシーな書店員のお姉さんへの淡い恋心なんかは、中学生からのほう...
学びたいって何だろう?
『笑う化石の謎』(2017年)ピッパ・グッドハート著 千葉茂樹訳 佐竹美保絵 あすなろ書房 今日の一冊は、長男(中1:読書苦手男子)へのサンタさんセレクト本。 ああ、サンタさんすごく苦戦したんだろうなあ(笑)。我が家は、毎夏鉱物採集に出かけるので、少しでも興味に近いも...
成人の日に差し出したい一冊
『大人になるっておもしろい?』(2015年)清水真砂子著 岩波ジュニア新書 成人式ですね。 町は振袖の華やかな成人たちでにぎわっているでしょうか。 私自身の思い出はといえば、寮生活をしていたので、地元には帰らず、大学の友だちとボーリングに行って、鍋囲んで家飲みしてたなあ(笑...
人には物語が必要
『診療室にきた赤ずきん -物語療法の世界-』(2004年) 大平健著 新潮文庫 今日の一冊は、絵本翻訳家のお友だちから教えてもらった本。 精神科医の先生が、書かれたもので、昔話を例えに使って話すと、ストンと患者さんの心に収まることを発見したんですって。...