心理療法としてのファンタジー
『闇の闘い』(1980年)ウィリアム・メイン作 神宮輝夫訳 岩波書店 今日の一冊はコチラ。 まーた、マイナーな本持ってきて~、って感じでしょうか(笑)。 岩波書店、神宮輝夫さんの訳ときたら、私的にはハズレはないのです。 日本ではもちろん(←これね)絶版、図書館でも動くことが...
メアリー・ポピンズは魔女なのか
『不機嫌なメアリー・ポピンズ - イギリス小説と映画から読み解く「階級」』(2005年) 新井潤美著 平凡社新書 メアリー・ポピンズは果たして魔女なのか? 先月の『魔女』がテーマだったとき、ふと思いました。確かにメアリー・ポピンズは魔法は使うし、異世界に連れて行ってはくれる...
自分でつかみ取る人生
『アリス見習いの物語』(1997年)カレン・クシュマン作 柳井薫訳 中村悦子絵 あすなろ書房 図書館でね、この本の背表紙に呼ばれた気がしたんです。なぜ、この本を手に取ったのかワカラナイけれど、時々本のほうに呼ばれることがあります。...
魔女や妖精の息づく時代へ
『魔女とふたりのケイト』(1987年)K.M.ブリッグズ作 石井美樹子訳 岩波書店 装丁・さし絵 ゴーディリア・ジョーンズ KATE CRACKERNUTS,1979 by K.M. Briggs 個人的に1970年代~1980年代にかけての岩波書店の翻訳ものは、名作揃いだ...
適所に行けば開花する!
『グリーンフィンガー 約束の庭』(2009年)ポール・メイ作 シャーン・ベイリー絵 横山和江訳 さ・え・ら書房 週末は、海を臨む素晴らしいお庭のお宅にお邪魔したので、引き続き庭ものをご紹介。とおおっても素敵な家主の方は、私とは30歳以上年齢は離れているけれど、フェアトレード...
人にはみな物語が必要
『レモンの図書室』(2018年)ジョー・コットルリ作 杉田七重訳 小学館 A LIBRARY OF LEMONS by Jo Cotterill,2016 くぼたあやこさんのレモンの表紙画が素敵なコチラ。帯に書かれていたこんな言葉も気になって読みたかったんです。...
思い込みだって勇気をもらえる
『木を切らないで』(1992年) ジュディ・アレン作 シャロン・スコットランド画 小峰和子訳 福武書店 Awaiting Developments (1988), Judy Allen 今日の一冊も福武書店(現ベネッセコーポレーション)から。ベネッセどうして、文芸作品事業か...
現代に足りない世界観?
『ほこれまみれの兄弟』(2010年)ローズマリー・サトクリフ著 乾侑美子訳 評論社 日本では2010年出版ですが、原書は、1952年初版です。 重厚感ある歴史ものを書くことの多いサトクリフですが、こちらは初期の作品のためか、ちょっとイメージが違うかも。...
サンタ同様信じたい存在
『緑の精にまた会う日』(2012年)リンダ・ニューベリー作 野の水生訳 平澤朋子絵 徳間書店 道のあらゆるところで、花が咲き乱れ、ピンク、白、紫、黄色などと緑のコントラストが本当に美しい季節ですね。春は心も軽やかで、歩いているだけで楽し~い。 園芸が得意な人をgreen...
内容で敬遠しないで!
『第九軍団のワシ』(1972年)ローズマリ・サトクリフ作 猪熊葉子訳 岩波少年文庫 The Eagle of the Ninth,1954 by Rosemary Sutcliff 今回のバカンスのおともの本のうちの一冊がコチラでした。20世紀のイギリス児童文学を代表する作...