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伏線回収が楽しい物語


『穴 HOLES』(1999年)ルイス・サッカー作 幸田敦子訳 講談社

今日の一冊はコチラ!

ずーっと気になってはいたものの、読む機会を逃していた物語。

アメリカで子どもたちから絶大な支持を受けている人気作家さんですが、大人ファンも多く、大人も手に取りやすい文庫版にもなっています。

大どんでん返しと伏線回収が楽しい!

《『穴 HOLES』あらすじ》

「まずい時にまずいところに」いたために、代々、イェルナッツ家の人々は辛酸をなめてきた。スタンリー(イェルナッツ四世)は、無実の罪で、砂漠の真ん中の少年院にぶちこまれ、残酷な女所長の命令で、くる日もくる日も不毛の地に“穴”を掘る毎日。ある日、ついにスタンリーは、どこかにあるかもしれないイェルナッツ家の“約束の地”をめざして、決死の脱出を図るのだった。五代にわたる不運をみごとに大逆転する少年。ニューベリー賞、全米図書賞ほか多数受賞。おなかの底から元気がわいてくる冒険文学。(BOOKデータベースより転載)

ディズニーで映画化もされているようですが、個人的には、これは本でしか描けない世界観だなあ、と思いました。もうね、出久根育さんのシュールな雰囲気の表紙画がぴったり!

色々なところに伏線がはられているので、詳しい内容はあまり書けないのですが……。まあ少年院ですから、直視したくないような理不尽なことや暴力的な場面とかも出てくるわけです。でも、さらっと読み流せるのは、なんだかリアリティがないから。作者が読者に目を向けてほしいのはそこじゃない。そういう場面にあまりにもリアリティを持たせてしまうと、そこに引っかかってしまって、本当に伝えたいメッセージにたどりつかなかったりしちゃうんですよね。

ちなみに、うちの夫は「うーん、面白いかって言えば面白いけど、これが、そんなに賞を取って話題というのは、僕にはワカラナイなあ」とのこと。

スカッとしたいときにオススメ。

最後に「ああ、そういうことだったんだ!」と爽快な気分になれる物語です。

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