翻訳文学好きの小学生に
『木の上のひみつ基地 -フォーチュン団のなかまたち1-』
(1997年)マーガレット・マーヒー作 幾島祥子訳 岩波書店
題名を見るだけで、ワクワク!・・・するんですけどねえ、私は。
別にワクワクしないみたいです、うちの子ども。
夏休み。本を読みたがらない小4次男(長男もだけど)が読めそうかな?と借りてみる。
マーヒーはニュージランドの有名な作家さんで、YA(ヤングアダルト)と呼ばれる中高生向きのものを書いていることが多いのですが、こちらは小学4年生くらいから。ちなみに品切れ中なので、図書館で。
【『木の上のひみつ基地』あらすじ】
ニュージーランドのある小さな町に,5人のフォーチュン家のいとこたちが住んでいる.全員10歳前後のいたずらざかり,なまいきざかり.いとこたちの群像と子どもたちの心理を日常の冒険の中で描くシリーズ第1作.いとこたちは秘密のグループを作っている.引っ越してきたピートを仲間に入れるかどうか,厳しいテストを….
(岩波書店ホームページより転載)
文字も大きめで、本が苦手な子でもとっつきやすくしているのかな?
ただ、個人的には海外翻訳文学に慣れた子向きかな?と感じました。うちの子は読まないだろうなあ・・・。
ちなみに次男が学校図書から自分で借りてくるのは、いつも角川つばさ文庫。
“そ、それ・・・お母さんが全力で避けたいやつー!!!”
という思いは胸に秘め、自分で選んできたものに関しては、どうぞどうぞ(当たり前だけど)。だからこそね、せめて目に入る置いてある本は選んでみたりするわけです。読まなくても、背表紙眺めてくれるだけでもいいかな、って。母の悪あがき~。
そんな母が置いておいたもの中で次男が選んだのは、岡田淳さんの『二分間の冒険』でした。やっぱり翻訳ものじゃないほうが、身近でよいみたい。
さて、フォーチュン団。学生時代一年間ニュージーランドにいたことがあったので、個人的には懐かしい内容でした。仕事求めて、オーストラリアに移住してしまう家族多いんですよね。親族の絆の強さや、マオリとの混血、未婚の母、自分の知り合いの顔や風景が次々と浮かんできました。
ただ、一つ知りたいのは、「〈ウォリ〉とはマオリ語で家という意味」と書かれていた部分。原文はどうなってるのかしら?マオリ語で家はWhare,ファレなんだけどなあ。マオリ語の授業取っていたものとしては、気になる。ネットのマオリ語辞典で調べても出てこない。
好きな場面は、ピートを秘密のグループの仲間に入れるかどうかのテストで、ピートが夜お墓に一人で寝る場面。ここが何とも言えずいいんです。一人になる時間。暗闇に一人で放り込まれる時間。こういうのが、明るすぎる現代には欠けているので、なんだか感動してしまうんですよね。夜と向き合い、無限と向き合う。実際にこういうことを体験するのは、すごく難しいけれど、せめて本の中だけでも体験できたら、素敵だな。
シリーズもので、全4巻あるので、続編も楽しみです。