追悼:大塚勇三さん
『スーホの白い馬』(1967年)
大塚勇三著 赤羽末吉絵 福音館書店
去る8月18日、大塚勇三氏がお亡くなりになりました。97歳だったそうです。
先日、中学1年の長男がじいじとモンゴルの旅から帰ってきたのですが、とてもいい顔して帰ってきました。
原点は、そう!大塚勇三氏の『スーホの白い馬』。
思い返せば、大塚勇三氏にはたくさんの原点をいただいた気がします。
私自身がモンゴルに行ったのは、大学時代でしたが、そのとき今は亡き母に、
「そういえば、小さい頃あなたは『スーホの白い馬』大好きだったわよねえ。繰り返し繰り返し読んでたわよね」
って言われてびっくりしたんです。繰り返し読んでた記憶なんてなかったから。
そして、好きという感覚よりも、悲しい話という感覚だったから。
でも、なぜか小さい頃から草原にばかり惹かれていたんですよね。だから、実は『赤毛のアン』より『大草原の小さな家』派。草原や牧場ものにとにかく惹かれていた原点には、潜在意識の中に、繰り返し読んだというこの絵本があったのかもしれません。記憶になくとも。
『長くつしたのピッピ』(岩波書店)や『小さい魔女』(学研プラス)も大大大好きでした。
クッキー焼くたびに、脳内はピッピのように床一面にクッキー種広げていました。内容を事細かに覚えているかと問われると、実はそんなに覚えていないのだけれど、とにかく読んでいてワクワクした!ということだけはハッキリと覚えているんです。
私のキラキラした子ども時代は、確実にこうした偉大な翻訳者さんたちに支えられていたんだなあ、としみじみ。
大塚勇三さん、豊かな子ども時代をプレゼントしてくれて、ありがとうございました!
心から!