ちょっと待った!本の断捨離
■ 読まない本はストレスの元!
断捨離に意識が行くと、こんな記事があらゆる方向から目に飛び込んできます。
読まない本は捨てるべき
ものすごく頷きながら読んだものでした。そう、読まずに積んでおくだけの本(=積ん読ツンドク)って、「あ~、読まなきゃ~、読めてない~」って、知らず知らずのうちに心理的なストレスになるんですよね。
というわけで、遡ること8年前でしょうか?引っ越しを機にゴソッと本を処分しました。図書館を私の本棚にすればいいじゃないか、って思ったんです。
スッキリ!!!
■ 本はいつまでもあるわけじゃない
・・・が、失敗でした。
当時の私は全然知らなかったんです。本がいつまでもあるわけじゃないこと。よっぽどのロングセラーは別として、図書館だって、どんどん廃棄して本を入れ替えていくことを。
私の場合は、捨てるんじゃない。必要としてくれる人の元へ渡ってほしいという願いのもとリサイクルという選択だったけれど、でも、それだって単に自分の罪悪感を減らしたいだけだったのかな、といまは思います。
バカなことをしてしまいました。
その頃はまだ児童文学に再会していなかったのは幸い。児童文学は全て実家で保管されていました。ほっ。
でもね~、大草原の『小さな家の料理の本』とかも処分しちゃったんですよ。
当時は玄米菜食にハマっていたのでね、こんな乳製品たっぷりなの今後作ることはなかろう、と早まって。バカでしょう?
この本に関しては、のちに図書館のリサイクル本で再会し、無事連れ戻しました。
■ 本は「家具」という考え方
本をね、「情報」だと捉えると、確かに積ん読はストレスになるだけだし、情報は置いておけば古くなる。ビジネス本とか、ハウツー本とかね。
でも、絵本や児童文学に関しては、私は本は詩人長田弘さんのいうところの「家具」だと思ったんです。
もうね、読まなくてもいいの。背表紙眺めているだけで、なーんかワクワクする。背表紙たちが語りかけてくるんです。物語のエネルギーとでもいうのかな?それが部屋に充満して、囲まれていると、それだけで冒険が始まりそうな気持ちになる。そう、幸せな気持ちになれるんです(私の場合は)。
「家具」がピンと来なければ、部屋に飾る花にたとえてもいいかも。
ちなみにうちの子たちは、文字を読むのは面倒とのことで、断然漫画派。本は基本読みませんが、それでも本の部屋が大好きなんです。囲まれてるだけでいい。意味がある!
ときめき片づけ術のこんまりさんのいうところだと、児童文学はまさに私にとってはトキメクものなんですね。だから、数が増えてもいいのだ~。(にしても、あふれすぎて、片づけようよ・・・と夫から言われる今日この頃)
■ 絵本・児童書の処分はちょい待って!
児童文学にハマってから、知ったことは本の寿命がいかに短いか、ってこと。
内容の良し悪し関係ないんです。よっぽどベストセラーで売れるかしないとすぐに絶版になっちゃう。特に児童文学の分野は、子どもは自分では基本買わないですからね。大人が買ってあげないと売れない。それを必要としている人がいるかもしれない物語が、どんどん消えて行ってしまう・・・。
だから、お子さんがもう大きくなったから、絵本や児童書を処分しようと思ってる方がいたら、ちょっと待って~、と言いたいのです。お子さんが結婚して子どもが生まれたら、その本手渡したいと思うかもしれない。でも、もう手に入らないかもしれない。
図書館にだって、いつまでも本はあるわけではないこと、念頭に置いて、サヨナラする本、しない本選んでいただけたらなあ、って思います。