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光あふれる特別な物語


『ピーティ』(2010年)ベン・マイケルセン作 千葉茂樹訳 鈴木出版

Pety,1998 by Ben Mikaelsen

今日の一冊はコチラ。ずっと気になってはいたのだけれど、なんとなく重たい内容なのかな?と手に取れないでいました。読了後、深い静かな感動に包まれていて、うまく感想がでてきません。が、いまの思いを一言で言うのならば、

「出会えてよかった(涙)!」

「ぜひ多くの人に手に取ってもらいたい!」

(↑二言 笑)ということ。心が洗われ、私の中で特別な物語となりました。重いというよりも、清々しい。ピーティに出会えてよかった。

【『ピーティ』あらすじ】

まだ、脳性麻痺が知的障害と誤解されていた1920年代に生まれたピーティ。家族の努力もむなしく、入れられた施設は精神病患者収容施設だった。頭の中で考えていることや、感情を伝えるすべがなく、何をしても重度の知的障害者の意味のないジェスチャーとしか受け止めてもらえなかった中、8歳のときにはじめて、自分が物事を理解していることに気付いてくれる青年に出会う。その後も何人か理解者に出会うものの、出会いと別れを繰り返すピーティ。1970年代に入り、時代と社会の障がい者に対する考え方が変わり、介護ホームに移るピーティは少年トレバーと出会い、再び輝きを取り戻していく。

ピーティはどんな小さなことにも驚き、喜び、人生に深い感謝をもって生きているのです。ちっぽけなことに文句ばかり言ってる自分が心から恥ずかしい。

でもね、もし私がこの時代にピーティに実際に出会っていたとして、私自身は彼の素晴らしさに気づけただろうか・・・それは、正直自信ないんです。だから、この本に出会えて心からよかった、って思う。

著者のベン・マイケルセン氏は。徹底した取材に基づいて作品を書くそうで、ピーティにもモデルとなった方がいます。ベン・マイケルセン氏のホームページに詳しくは出ているので、興味のある方はコチラ

ベン・マイケルセン氏といえば、『スピリットベアにふれた島』(そのときのレビューはコチラをクリック)なども有名です。

スピリットベアがドラマチックなのに対し、『ピーティ』は静かな感動。静かで、でも確実に読んだ後はピーティが自分の心の中に存在してしまう、そんな物語。

BOOKデータベースに「光あふれる物語」とあるけれど、重く、苦しいことのほうが多かったはずのピーティの周りには光があふれているんです。きっと、感謝の気持ちが光になるんだろうなあ。

ゴメンナサイ、とにかく読んで、としか言えないです。後悔はさせませんヨ。

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